2023年2月1日水曜日

新型コロナワクチンは感染防止には無力であるが、重症化率を下げる。では、ワクチンパスポートに意味はあったのか?

 

 ファイザー、モデルナのワクチンは、両者とも新型コロナウイルスの表面のタンパク質(スパイクプロテイン)の全長をコードし、筋肉注射により、我々の体内でスパイクプロテインを作らせることにより、これに対する抗体を作るように設計されている。考え方としては、ウイルスの表面に露出しているタンパク質を体内で作らせ、結果としてスパイクプロテインを異物として体に認識させその抗体を体内で作ることにより、ウイルスを捉えて細胞内に入ることを防ぐという仮説に基づくものと考えられる。結果的にこれは失敗作というべきものであり、感染防止効果は不十分であることが臨床検査の時点でデータがしめされた。恐らく、緊急性のために、感染防止効果が不十分でもすぐに必要であり、そのままワクチンとして認可され、世界中で販売、使用された。

 感染防止効果が今ひとつであっても、政府や御用学者達が明確な事実を事実として説明をし、説得力のある形でワクチン接種を実施していれば、新型コロナの蔓延はより低いレベルで抑え得たのではないか。政府(閣僚と厚生省の役人、御用学者達、NHKのアナウンサー達)は、言葉を尽くして説得するのではなく、ワクチンが感染防止にも有効であるかの言い成しをして、ワクチンパスポートなるものまで発明して、ワクチンを2回射てば罹らないかのように、あらぬ方向に国民を誘導した。NHKは、街頭インタビューで、道ゆく人に「ワクチンを2回打ったから安心」と言わせてこれをピックアップして放送し、印象操作を行った。御用学者達の罪は最も重い。仮にも専門家を自称するなら、臨床データに基づいた説明を行うべきであったにもかかわらず、都合の悪いこと、「感染防止には役立たない」とは決して口にせず、ワクチンパスポートに対しても全く批判の声を上げなかった。ワクチンを打っても感染する、一度かかっても再度かかりうる、そのようなことが明らかになって尚、国民にワクチンを打たせようとする政府の意向を強く反映して、それに対する批判的な言動をする専門家はテレビなどには出なかった。あるいは、テレビには出さなかった。

 残念なことに、現在の日本の製薬メーカーには、短時間でワクチンを作る能力はない。ネックは日本の臨床検査体制であろうが、アメリカで臨床検査を行なって認可させる体制がない。あるいは、日本の厚生省は無能であり、新薬の速やかな開発に対応できない。RNAワクチンは、画期的な技術であり、迅速にワクチンを作成するには非常に有効な技術であるが、それでも今回の新型コロナのワクチンの効果を見る限り、なんの工夫もなくウイルスの表面のタンパク質をそのまま体内で作るようにデザインしているが、スパイク蛋白を人体内で作らせれば感染防止できるということではないらしい。ファイザー、モデルな共に最初のワクチンは拙速を重視したのであろう。日本政府と厚生省、NHKは、ワクチンが感染防止の能力に劣ることを知りながら、これを全く口にせず、ワクチンパスポートなるものを喧伝し、ワクチンに感染防止効果があるかのごとく、振る舞った。コロナ対策なるものの有効性に対する検証は不都合であるため一切行わない。国民をあらぬ方向へ誘導したNHKの害悪は大きい。そして、現在もなお感染拡大を防ぐためにワクチンを接種しましょうと喧伝している。

2023年1月24日火曜日

マスクはコロナに感染していない人が他人にコロナを感染させない様にする為? 

 コロナ対策として用いられている不織布のマスクとは、PM2.5の性能を持つものを指している。PM2.5のマスクとは、直径2.5ミクロンの粒子を99%カットする性能を持つものを指すらしい。これに対し、新型コロナなどのウイルスの直径は、0.1ミクロン程度とのことであり、通常のPM2.5と表記されているマスクではウイルス粒子は全くカットできず、マスクを通して出入り自由である。ではマスクはコロナ対策として意味はないのか。

 マスクに対し、個人的には 顔を隠している強盗のイメージが強く、コロナ以前はマスクをしている人が夜歩いているのを見るとギョッとする感覚があった。従って、当初はマスクをすることに強い忌避感があったのだが、コロナの感染が拡大するに従い、我が身を守るためにつける様になった。

 つまり私は、呼吸器系の感染症を引き起こすコロナウイルスに対して、マスクは唯一有効な対策であると考えている。 ファイザー、モデルナなどのワクチンは感染を防止する効果は非常に低く、その結果、新型コロナが世界的に蔓延することになった。

 マスクの機能:マスクはその構造を見れば容易に理解できる様に、息を吸う時には顔に張り付き、空気の大部分はマスクを通して体に入る。対して、息を吐く時には、マスクが 持ち上がる方向に力が働き、顔とマスクに隙間が広がり、大部分の呼気は顔とマスクの隙間から放出され、吐く息に対してはマスクのフィルター効果は期待できない。

 マスクのコロナ対策としての意味は?:コロナウイルスは、恐らく従来空気感染と呼んでいたインフルエンザなどと同様に呼気を通して患者の体から放出され、呼気を通して人の体内、特に呼吸器に侵入して感染するものである。患者の体から排出される際には、ウイルス単独で飛び出すことは無く、感染し増殖した呼吸器系の細胞から体液と共に、気管支から口内に運ばれる。体内にあるうちは、唾液、鼻水等の体液に存在している。これが咳やくしゃみ、あるいは話をする時に微細な唾液の粒子、いわゆる飛沫の中に含まれて体外に放出される。従って、ウイルスは単独で患者の体内から出るのでは無く、常に飛沫か、飛沫が体外で乾燥した蛋白質などの体液成分を含む軽いがウイルスよりはるかに大きい粒子に付着した状態で空気中を浮遊し、健康な人がこれを口から呼気と共に吸入することにより人の体内に入り込み増殖して、発病する。私のイメージとしては、ウイルスは、飛沫というよりも、飛沫が乾燥した飛沫とほぼ同じサイズの粒子として空気中に存在すると考えている。つまり、私は、飛沫及びその乾燥した粒子の直径は2.5ミクロン以上であろうと考えており、従って、ウイルスは0.1ミクロンであるからマスクは有効でないとの主張は間違っており、患者の体液として放出される飛沫とその乾燥した微粒子が2.5ミクロン以上であるため、これを通さない程度に目の細かいマスクであれば十分フィルターの効果を発揮して、ウイルスが空気中を経由して我々の体内に入ることを防げると考える。

 

 ここまでを整理すると、PM2.5のマスクは、コロナウイルスが吸着した飛沫や飛沫の乾燥した粒子が体内に入るのを防ぐことができる。

 

 一方で、テレビなどのマスコミ、それを利用した政府の宣伝では、病気を感染(うつ)して他人に迷惑をかけないようにマスクをするべきと説明している。非常に違和感を感じることは、先に述べた基本的なマスクの機能に反する説明を、政府や政府の御用専門家たちがこじつけ、尤もらしく見せるために、御用学者がマスクの有無で、くしゃみをした時の飛沫の飛散状態の差異をシミュレーションによりテレビなどで喧伝し、「このように飛沫の飛散の様子が変わるので、飛沫を遠くまで広げて人を感染させないようにマスクを付けましょう」としている。これはただのすり替えであり、「感染したくないなら、我が身を守るためにマスクを付けましょう」と説明するのが正しいのではないか。これは一体誰の発案なのか、国民にマスクを付けさせるために、何が何でもマスクが有効であることにしてしまおうとする意図が強い。一方で、日本では、右を見て左を見て多くの人がやっていることを真似ておけば安泰であるという生き方をしている人が多い。従って論理性の有無に関わらず、「人に迷惑をかけないように」、という言葉が非常に有効であり、この点を政治から小役人たちに利用されたのだと感じる。このすり替えは更にエスカレートし、飛沫を広く飛ばさなければ感染しないとしてしまった結果、アクリルのフェイスマスクのようなものやアクリル板のパーティションも感染防止対策として効果があるかのごとく言いなされてしまい、多くのテレビ局で使用されている。アクリルのフェイスマスクには、外気に含まれる微細な粒子が体内に入るのを防ぐ効果は皆無であり、感染症対策とはなり得ない。花粉症の人がアクリルのフェイスマスクをして効果があると感じるかどうか、考えるまでもない。

 感染を防ぐためには、空気中を舞う微小な飛沫やその乾燥した粒子が体内に入ることを防ぐ必要があるにもかかわらず、「飛沫を飛ばさなければ良い」かのすり替え、誘導が行われてきた。

 

 感染症対策としては、空気中を彷徨う微粒子が呼気を通して体内に入ることを防ぐ必要があり、そのために最も有効なのは、適切な(PM2.5、あるいはもっと目の細かい)フィルター機能を持つマスクを着用ことである。

2022年11月29日火曜日

マイナポイントは悪質な詐欺まがい?

 

 マイナンバーカードを作成して何か私に便利、有利な点があるとは信じておらず、ずっと作らずに来た。昨年仕事を引退し、これを契機にマイナンバーカードをスマホ経由で作成してみた。知らない者には非常にわかりにくい、アプリを携帯に落とし、カードの申請を行った。携帯経由で写真まで送付したので、出来上がったカードが郵送されてくるのかと期待していたが、予約を入れて、直接区役所まで取りに行く必要があった。区役所までバスの往復で1時間余り。政府の役人は、国民の時間を浪費することには頓着する気もないようだ。マイナポイントを5000円分貰えるとテレビ等で盛んに宣伝してマイナンバーカードを作らせようとしているので、この機に、マイナポイントも申し込んでみた。マイナンバーカードの申し込みとはまた別のアプリを携帯に落とし、マナカでポイントを受け取ろうとした。すると、別途マナカのアプリを落とす必要があった。2時間ほど悪戦苦闘して、何をどうすれば良いのか全く分からず、諦めてソファーに横になっていたところ、家内が来て、再度試み始め、二人で更に2時間程掛って何とか最後まで到達した。翌日、ポイントがマナカに入っていることを確認するために、地下鉄の駅に行き、チャージ機に通してみたところ、全くポイントが付与されていなかった。

 何故か。再度アプリ上であちこち探してようやく見つけた。マイナカードへのポイントの付与は、新たに2万円をチャージしたのち初めてポイントが付与されるとあった。更に、ポイントの付与は、セブン銀行のATMで行う必要があった。テレビ等での宣伝の内容とは随分異なる。少なくとも2万円使わなければポイントが付与されないとは全く聞いたことがない。都合の悪いことを隠す、あるいは、すぐ見えないように、理解できないように、小さい文字で長々と記述する、前面に見えないようにページを変えるなど、姑息なやり方であり、国と名古屋市が共謀して行っている詐欺行為ではないかと考える。

 5000ポイントに対して2万円使用することを求めることからして、2万ポイントに対しては、8万円を使うことが求められているのだろうか。政府は姑息な宣伝ではなく、明確な説明をすべきである。本来、明確な説明をして、国民が納得すれば、ポイントなど不要である。

2018年9月1日土曜日

G2. 培養細胞からの核抽出画分の調整


2. 培養細胞からの核抽出画分の調整
Preparation of Nuclear Extracts from Cultured Cells (3 x 100mm dishes)

ここでは100 mmの培養皿3枚にconfluentになるまで培養した細胞からの核抽出画分の調整を延べる。総ての操作は低温で行う。
細胞は薄く撒いてconfluentになるのを待つのではなく、2-3日に一度は開きなおして丁寧に培養すれば、生きの良い綺麗な細胞からの核抽出物を得ることが出来る。

必要な器具:Rubber PolicemanFalcon round bottom high-clarity polypropylene tube with snap cap、高速冷却遠心機(卓上でも良いが固定ローターの方がペレットが斜めに落ちるのでbufferの除去操作が容易)、卓上超遠心機

Buffer:
buffer A: 10 mM   HEPES (7.9)                 buffer C:    20 mM      HEPES (7.9)
            1.5 mM      MgCl                                                   1.5 mM    MgCl
            0.5 mM      DTT                                                      0.5 mM   DTT
            0.5 mM      EDTA                                                   0.5 mM    EDTA
            1.0 mM      PMSF                                                    420 mM  NaCl
                                                                                               20 %     glycerol
                                                                                              1.0 mM  PMSF, 
                                                                                                             aprotinin, leupeptin, pepstatin
                                                                                          (これらは適当濃度)

1.       3枚のプレートから培養液を吸引除去し、2 ml/platePBSを加え、rubber policemanで細胞を搔き取り、3枚分を1本の14 mlFalconのチューブに移す。6000 rpm x 2 min 遠心分離して、上澄みを吸引除去する(ペレットのある方を下にチューブを斜めにして、ペレットを吸い込まないように注意する)。
2.       3 mlbf Aを加えてピペッッターで分散し、これを5 mlの超遠心チューブ (5 ml thick wall polycarbonate, Tabletop Ultracentrifuge TL100) に移し、10,000 rpm x 2 min超遠心分離する。
3.       上澄みを除き、超遠心チューブの中でペレットと同量のbf C(目分量でペレットと同じ程度の体積) にピペットで分散し、65,000 rpm x 10 min で超遠心する。
4.       上澄み(核抽出画分)を1.5 mlのチューブに移し、一部は蛋白定量に回す。タンパク質として、約2-5 mg/ml あれば問題ない。核抽出画分は液体窒素で凍結して、超低温冷凍機(-70 ℃)で保存する。

注)
A)      注意点は組織からの抽出とほぼ同様である。特に細胞からの場合は、3のステップでbf Cを増やしすぎないことが重要で、Gel Shift Assay (Gel Retardation Assay) に使用するのみであれば、10-20 microL もあれば十分である。
B)      この方法で得た核抽出画分は、毎回液体窒素で凍結する限り、何回も溶かして使用することが出来る。


2018年8月16日木曜日

G1. 組織からの核抽出画分の調整


1. 組織からの核抽出画分の調整
Preparation of Nuclear Extracts from Tissues

ここでは、組織から少量の核抽出画分を調整する方法を述べる。尚、以下の操作は基本的に総て氷上で行う。
基本的な考え方は、ある程度組織をばらしてPBSで組織を洗った後、余計な部分を除いてほぼ細胞レベルに近い程度まで分散して、イオン強度を下げた低張液で浸透圧と機械的な分散により細胞膜を破る。これにより細胞質の成分を低張液中に溶出させて出来るだけ除き、次にイオン強度の高いバッファーでionicに結合している核抽出物を溶出させて回収する。
当然、細胞壁を持つ酵母、植物系の細胞や組織に対しては、予め細胞壁を処理しておく必要がある。

機器:ハサミ、Dounce Glass Tissue Homoginizer (Wheaton) 容量40 mlStainless Spatula(小)、高速冷却遠心機(卓上でも良いが固定ローターの方が操作が容易)、卓上超遠心機

Buffer:
buffer A: 10 mM    HEPES (7.9)                 buffer C:    20  mM     HEPES (7.9)
               1.5 mM    MgCl                                                  1.5 mM    MgCl
               0.5 mM    DTT                                                    0.5 mM    DTT
               0.5 mM    EDTA                                                 0.5 mM    EDTA
               1.0 mM    PMSF                                                420 mM    NaCl
                                                                                             20 %       glycerol
                                                                                            1.0 mM   PMSF,
                                                                                            aprotinin, leupeptin, pepstatin


1.        1-2 cm角程度の体積の組織をハサミで小さく刻みながら適量のPBSを入れたガラスホモジナイザー 内に落とす。
2.        粗くホモジナイズする。組織を押しつぶしながら、邪魔になる筋などはspatulaで取り除く。
3.        遠心tubeに移して軽くスピンダウンする。
4.        目分量でペレットの5 volbuffer Aで分散しながら、ガラスホモジナイザーに移し、ガラスの心棒を回しながら10-15 回上下して全体がほぼ均一に分散した状態とする。
5.        遠心tubeに移し、spin down (6000 rpm x 2 min)
6.        上澄みを除き、2-3 volbuffer Aでペレットを分散し、ガラスホモジナイザーに移して、ガラスの心棒を回しながら10-15 回上下して全体をほぼ均一に分散。
7.        遠心tubeに移し、spin down (6000 rpm x 2 min)した後、上澄みをできるだけ丁寧に除く。(disposableのガラスピペットを用いてアスピレーションで余分な上澄みを除く。この際、angle rotor を使用した方がペレットが斜めになり上澄みを除きやすい。)
8.        1 volbuffer C1-2 ml程度になる)を加えてペレットを分散しガラスホモジナイザーに移し、ガラスの心棒を回しながら数回上下する。
9.        懸濁液を超遠心tubeに移し、超遠心(65000 rpm x 10 min)。(もし、卓上超遠心が使用できる環境に無い場合は、床置の高速遠心機で10000 rpm x 10 minでも良い。)
10.     上澄み(clearな部分のみ)を1.5 mlの保存用tubeに移し、一部は蛋白定量に回す(蛋白濃度はおよそ25mg/mlであれば良い)。Tubeは液体窒素で凍らせ、-70℃で保存する。

注)
A)      最終的な核抽出画分のタンパク質濃度は1 mg/ml以上であることが望ましい。これ以下の濃度になると容易に懸濁物が生じて核酸への結合能が失われることがある。
B)      多くのプロトコールでは、buffer Cでの抽出液を透析して塩濃度を下げるステップが含まれているが、透析をするとタンパク質が凝集して懸濁物が生じやすく、必要な成分(核タンパク質)が失われる。従って、透析はすべきではなく、又、そのままで続くGel Retardation Assay (gel shift assay) に重要な影響を与えることは無い。

2014年4月8日火曜日

小保方博士とSTAP細胞


小保方博士を筆頭著者とする論文にデータの捏造が有ったと理研が公表し、小保方博士はミスであったと主張している。
論文を発表する段階で、データの取り違えをすることは、少なくとも小保方博士が論文を書いたのであれば、データの取り違えなどあり得ないことであり、捏造以外の解釈はあり得ない。一方で、総ての共著者は、捏造の共犯であり、責任逃れに終始することは、みっともないばかりでなく、研究者としての倫理観の欠如とも言える。
筆頭著者が、データのすり替えを行おうと試みたとしても、正常な研究の進め方をしていれば、論文執筆の前に共著者の間でデータの公表と批判が有り、研究データにチェックが入り、一人で捏造などは容易にできるものではない。

このような、複数の研究者を採用した理研および大学の選考委員会のメンバーもまた責任を取ってしかるべきである。

STAP細胞を他の研究者が再現できなかったとしても、それが直ちに無かったことにはならない。唯一の明快な証明は、公開実験にて小保方博士が再現してみせることができるかどうかである。その点で、理研の云う第三者による再現というのは、研究者らしからぬ発想であり、意味が無い。理研の幹部の良識を疑う。

2013年9月9日月曜日

プラスミド ラージプレップ(Plasmid large preparation)CsCl法

 遺伝子の発現調節などを調べる為にtransfectionを行うような場合には、数種のプラスミドを大量に必要とする場合が多い。あるいは、頻繁に使用する一般的なベクター、pETpBSなどは、一度に確保しておけば常に安定した結果を得ることができる。このような場合には、CsCl法が有利である。

 使用機器:
Sorval 又はBeckman冷却高速遠心機(polypropylene 38ml tube 6本以上を回せるローター)
Beckman 卓上超遠心機 (ローターTL100.4) : ベックマンの卓上超遠心機・ローターは順次モデルが新しくなっており、新しいローターではTLA-110に相当する。TubeQuickSeal5.1 ml(新しい4.7 mlのタイプを私は使用したことが無い)。

  CsCl法の前半のplasmidの抽出は、mini prepとほぼ同様である。以下に示すプロトコールは、一般的なものであり、Ethidium BromideEtBr)が吸着したsupercoilplasmidの比重がrelaxed plasmidlinear DNAより大きいことを利用している。
 遠心後のtubeの様子を簡単に示すと、CsClの水溶液は、超遠心によりgradientを形成するので、比重差によりsuper coil plasmidを左図のように超遠心tubeの中心付近に分離することが出来る。Tubeの下部はRNAにより強く光る。上部には、タンパク質その他のjunkが浮遊する。中央付近に来る2本のバンドの内、下の太いものだけを取り出す。
 EtBrの蛍光を見るので、可視化する為にはUV照射が必要である。従って、UVが直接眼に当たることが無いように十分な注意が必要である。
 又、EtBrは強い変異原性を持つので、使用には手袋を着用し、廃液の処理も十分な注意が必要である。EtBrの廃液の処理には、活性炭濾過キットなどが売られている。
 取り出し方は、1 mlの注射器と注射針を用意し、下のバンドより少し下に注射針を通す。針の穴を上向きにして、バンドの下部に当たるようにしてゆっくりと吸い出せば、きれいに吸い出すことができる。この時に、吸い出すvolumeは少ない程後の処理が容易となる。

1)操作の1-10までは基本的にmini prepとほぼ同じであり、操作3で大腸菌の固まりが残らないように完全に分散すること、操作5では、NaOH/SDSで溶液が完全にクリアになり大腸菌の濁りが残らないこと、操作6では、透明のゼリー状の部分が残らないように、ピペットなどで押しつぶしながら、総てが白いjunkとサラサラの液体と成るまで静かに混ぜることに注意する。

2)操作11の後、遠心tubeを手折るペーパーの上にひっくり返して静置し、残った液体部分を完全に除く。(plasmidのペレットが動くようであれば、ひっくり返すことはあきらめて、ピペットで残りの液を吸い取る。

3)操作122 mlの水に丁寧にペレットを溶かす。その後、操作132.6 gCsClを加えて良く溶かす。この時点で、全体のvolume2.6 mlとなる。つまり、最終的に加えた水の約1.3倍の体積となる。

4EtBrを加えると大量のjunkが出る。これは特に小volumeの遠心tubeを用いる場合には、遠心後plasmidを回収する時に邪魔になるので、操作15で簡単に室温で遠心してjunkを除いておく。

5)操作16-17で、junkを除いた液を超遠心tubeに移し、出来るだけ上部の空間を残さないように、CsCl/EtBr水溶液で満たした後、tubeをシールする。熱シールを使う場合、空のtubeを使って一度練習しておくのが良い。

6)サンプルが奇数となった時は、同じCsCl/EtBr水溶液でバランス用のtubeを作っておく。これは超遠心後に、注射器でplasmidのバンドを採取する時の練習用として使う。注射針を刺す時の加減、plasmidを採取した後、CsCl/EtBrの溶液の入った側壁に穴の空いたtubeの扱いなど、予め考えて練習しておく方が賢明である。

7)操作190.1-0.2 mlとなるようにplasmidのバンドを取り出す。この体積を小さくしておけば、以後の処理を1.5 mltube一つで処理できる。操作20-23は、例えば、plasmid溶液が0.2 mlとなったとすると、0.2 mlの水を加え、水で飽和したn-butanol1 ml加えて、ボルテックス/遠心を繰り返して、plasmid液のEtBrを完全に除く。

8)操作24では、最初に採取したvolumeが多めの場合には、CsClの沈殿が出るが、気にせずspin downし、CsClの沈殿が出なくなるまで、操作26を繰り返す。

9)このプロトコールは基本的に、扱うvolumeを小さくしているので、RNAの混入は増える傾向に有る。これを除き、更に余計な不純物を除く為には、0.4 mlの水にペレットを溶かした後、mini-prepで述べたDNAse free-RNAse処理の後、PEG/NaCl溶液(20% PEG 8000/2.5 M NaCl)を0.24 ml加えて、spin downし、EtOH Washの後、0.2 mlの水に溶かし、7.5 M NH4AcO溶液を0.1 ml加えてspin downして、上澄みを新しい1.5 ml tubeに移して、0.6 mlEtOHを加えてspin downEtOH washの後、0.05-0.1 mlの水に溶かす。EtOH washの目的は、塩を除くことにあるので、いずれの場合にもボルテックスなどはせず静かに加えて、そのままspin downする。
 
CsCl Plasmid Preparation
1.   O/N culture in 200 ml TB.
2.   Spin down (3000g, 10min).
3.   Suspend in 2 ml Lysis bf. (1mg lysozyme).
4.   Inc. room temp. for 10 min.
5.   Add 4 ml SDS-NaOH sol., gently mix until E. coli is lysed, and place on ice. (Solution will be yellow and viscous.)
6.   Add 3 ml 3M KAcO (pH4.2), gently mix and keep it on ice. (Yellow and viscous solution will disappear.)
7.   Spin down (10,000g, 10min) at 4oC.
8.   Transfer sup. into a new tube.
9.   Add 0.6 vol isopropanol and mix.
10.  Spin (10,000g, 10min).
11.  Discard sup. and remove the trace of sup completely.
12.  Dissolve pellet in 2 ml water.
13.  Add and dissolve 2.6 g CsCl.
14.  Add 210 ml ethidium bromide (10mg/ml in water). (Caution: Ethidium bromide is a powerful mutagen.)
     (80 ml ethidium bromide for 1 ml CsCl-DNA solution)
15.  Spin for 10min (10,000g).
16.  Transfer sup. into a heat seal centrifugation tube.
17.  Fill the tube with CsCl-ethidium bromide (1 ml water: 1.1g CsCl: 105 ml ethidium bromide) solution.
18. Centrifuge at 75,000 rpm (TL100.4) O/N at 20oC.
19.  Isolate and transfer (into 1.5 ml tube) the visible plasmid band from side using needle. (The isolated volume will be 100-200 ml.)
20.  Add 1 vol water and 1 ml n-butanol.
21.  Vortex, spin for 1 min, and discard upper phase.
22.  Repeat the extraction of ethidium bromide until all the pink color disappears.
23.  Adjust the volume to 400 ml by adding water.
24. Add 20 ml NaAcO and 1 ml Ethanol.
25.  Spin for 10min and discard sup.
26   Dissolve the pellet in 400 ml water, and add 40 ml NaAcO and 1 ml EtOH.
27.  Repeat 26.
28.  Wash the pellet with 75% EtOH (spin).
29.  Remove EtOH completely by pipetting.
30. Dissolve the pellet in 50-100 ml water.

Lysozyme bf.
       25 mM Tris-HCl (pH8.0)
       10 mM EDTA
       50 mM  Glucose

SDS-NaOH sol.

       0.5 g  SDS
       0.4 g  NaOH

5 M KAcO (pH5.2) (refere to Molecular Cloning)

10 mg/ml             ethidium bromide (in water)


3 M NaAcO (pH5.2)