大腸菌で発現したP450c21はNi-NTA agaroseで精製後、DEAE Sepharoseを素通りさせ、それを更にSP
Sepharoseで精製する。ここでは、DEAE Sepharoseを素通りさせる過程を具体的に示す。
必要なバッファー:
Buffer E:
20% Glycerol
0.1 mM DTT
0.1 mM EDTA
1.5% NaCholate
1% Tween 20
0.1 mM PMSF
Buffer F:
20 mM KPi (7.4)
20% Glycerol
0.1 mM DTT
0.1 mM EDTA
1.0% NaCholate
0.1% Tween 20
0.1 mM PMSF
Buffer G:
50 mM KPi (7.4)
20% Glycerol
0.1 mM DTT
0.1 mM EDTA
1% NaCholate
0.5% Tween 20
0.1 mM PMSF
20 mM imidazole
Buffer H:
60 mM Imidazole-AcO (7.4)
20% Glycerol
0.1 mM DTT
0.1 mM EDTA
1% NaCholate
0.5% Tween 20
0.1 mM PMSF
樹脂はDEAE
Sepharose (Fast flow)を内径2.7 cmのカラムに5-6 cmの高さとなるように、buffer Fで平衡化して詰める。
1)Ni columnからの溶出画分を、同じvolumeのbuffer Eで希釈する。(この段階では、イミダゾールがヘム鉄に配位しているので、うかつに透析でイミダゾールを除くと総て沈殿して発現からやり直すことになる)
2)希釈したP450を含む溶液を樹脂を乱さないようにカラムに加える。この時の流速は5-6秒に1滴とする。総ての溶液を加えて樹脂を素通りさせる。
3)ほぼ総ての溶液が樹脂に吸収され、上部に樹脂の上部に1-2
mmとなった時点で、buffer Gを2-3 mlそっと加え、これが樹脂に吸収するのを待ち、もう一度、2-3
mlのbuffer Gを加えてこれが樹脂に吸収されるのを待ち、10-20 mlのbuffer Gで押し出した後、40
mlのbuffer Hで残りを出し切る。
4)適当なフラクションをピックアップして、CO-スペルトルを測定し、回収する画分を決める。
5)回収したフラクションは、一部電気泳動用に分けておき、総てを液体窒素で凍らせて、-80度で保存する。
注)コール酸はDEAE
Sepharoseに吸着する。このために、一部P450は軽くカラムに吸着するが、buffer Hで溶出される。
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