2013年1月22日火曜日

大腸菌でタンパク質を発現する法11:乾式振とう培養器その3  振とうの速度

振とうの速度

振とうの速度はどのようにして決定すれば良いのか。
培養液がフラスコの壁を伝って高い位置まで液体の壁を作り、培養液全体がフラスコの中で回転するように回転速度を調節する。回転速度は高すぎても、低すぎても振とうの効率は悪くなり、十分な酸素供給ができなくなる
至適回転数は、フラスコの中に入れる培養液の量によっても変化する。

至適の回転速度を得る為には、側面がガラスの培養器が便利である。側面がガラスの培養器があれば、3Lのフラスコの中に200、300、400、500 mlの水を入れて振とうしてみれば回転数と液体のvolumeによる至適条件の変化は一目瞭然となる。

至適回転数は、一方で、液体の粘度によっても変化する。従って、培養が進み、大腸菌濃度が高くなると培養液の粘度が上昇し、高い回転数ではうまく回らなくなり、結果的に酸素供給が不十分となって、高いタンパク質の発現レベルは得られなくなる。

思う以上に、振とう速度と発現レベルの関係は複雑であり、良く目で見ることが非常に大事である。

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