標的タンパク質の発現プラスミド(仮にXpETと呼ぶ。Amp耐性)が出来上がり、GroES/GroELの共発現ベクター(仮にpGro12と呼ぶ。Kan耐性)の準備もできれば、まずは、pGroをBL21系のホストに導入して、一旦、GroES/GroELの入ったBL21を単離し、このコンピテントセルを作成しておく。
これにXpETを導入する。Transformantsは、LB plate (supplemented with 100 μg/ml ampicillin (Amp) and 50 μg/ml kanamycin (Kan))上で選択する。2−3個のコロニーをピックアップし、1 ml のTB (Amp 100 μg/ml, Kan 50 μg/ml)でovernight culture (O/N)を行い、それぞれ0.1 mlを滅菌した1.5 mlのエッペンドルフチューブに取り、滅菌した0.1 mlのグリセリンを加えて、ボルテックスして液体窒素で凍らせ、-80度で保存する(frozen stock)。残ったO/N cultureを0.025 mlとり、これを25 mlのTB (Amp 100 μg/ml)を入れた125 mlの三角フラスコに加え、激しく37度で4時間、あるいはかなり濁ってくるまで培養する。
ここで、0.5 mM IPTG (for the transcriptional induction of the target protein), 50 μg/ml Amp, 4 mg/m arabinose (for the induction of GroES and GroEL), and 1 mM δ-ALA (a precursor of heme biosynthesis, when the target protein is a heme protein)を培養液に加えて、温度を28度まで下げて、15−16時間培養する。
ここで、pHをpHメータを用いて測定し、培養液のpHが7.0となった時に軽く遠心して大腸菌を回収する。
ここであらかじめ定めた測定法により、標的タンパク質の発現量を測定する。
最も発現量の高かったコロニーを一つ残し、あとの frozen stockは捨てておく。
注)pHメーターで測定するたびに、培養液は戻さずに捨てる。pHメーターのエレクトロードは、測定の都度、蒸留水でリンスし、その後エタノールでリンスすることによりバクテリアのコンタミを防ぐことができる。
ところで、読者の反論、質問は歓迎する。
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