2013年1月3日木曜日

大腸菌でタンパク質を発現する法2:装置と培養液

1)発現のための培養装置
冷却装置のついた、回転式の培養器:冷却装置のついたイノーバ44Rなど。培養時に観察できるよう側面がガラスのものがよい。
筆者は、大量に培養する場合には、3Lの培養フラスコ(PYREX Fernbach Culture Flask, Corning)に500 mLの培養液を入れて培養する。
プラットフォームにフラスコを接着するタイプはさけた方が懸命である。何故か。震盪中に接着が外れ、フラスコが内部で踊り悲惨なことになる。
小スケールの場合、125 mLのエレンマイヤーフラスコに25 mlの培養液を入れて培養する。

2)培養液:Terrific Broth (TB)
--> Terrific Broth (1 liter): 12 g Tryptone (Tryptone, Pancreatic, without Sulfonomide Antagonists, Powder, EM1.02239.0500, VWR), 24 g BactoTM Yeast extract technical (Becton, Dickinson and Company, Cat. # 288620), and 4 ml glycerol are dissolved in 900 ml distilled (or Millipore-filtrated) water and autoclaved at 210 degree C for 20 min. The 10 x phosphate buffer (1 liter) is made by dissolving 23.1 g KH2PO4 (anhydrous) and 125.4 g K2HPO4 and is separately autoclaved.
 TBを調整する際に最も重要なことは、どのメーカーのものを購入するかである。メーカーにより、本来発現するものも発現しなくなってしまうほどの違いがある。上記の組み合わせは、著者の知るベストの組み合わせである。
 現時点で、上記メーカーの組み合わせがベストであるかどうか保証の限りではない。余裕があれば、種々のメーカのものを比較しておくのがベターである。とはいえ、既に誰かが大腸菌でタンパク質を発現している研究室であるとしても、これを比較することは思うほど容易ではない。筆者の場合は、P450という色のついた、しかもCO差スペクトルで容易に特異的に測定できるタンパク質を扱っていた為に、このような比較も簡単であったが。


 

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